2CV
5年ほど前の話になりますがまだ独身のころ、
シトロエン2CVという車に乗っていました。
2CVと書いてニーシーブイ、ツーシーブイ、ドゥセボーなどと読みます。
僕が乗っていたのは1987年式。
周りから見ればどう見てもクラシックカーです。
僕的には実用的な車だったのですが。
冷暖房はありません。
夏は暑く冬は寒い車です。
夏用に扇風機を取り付けていました。
冬はスイッチを押すと
エンジンルームの暖かい風が室内に流れてくるとんでもない車です。
ワイパー動かすと片方が飛んで行ったりするとんでもない車です。
交差点で右折するとふわぁっと左のドアが勝手にあいて行くとんでもない車です。
ただとても楽しい車でした。
穏やかな春の日は屋根を開けてオープンカーにして空を眺めながらドライブ。
ちょっと手間はかかりますが後ろのシートを外せば大きなスペースができて
いろんな荷物も乗せれます。
なにより形がかわいい。
母国フランスではダッグの愛称で呼ばれ、農民や市民に愛された大衆車だそうです。
実はかなり早くこの車は完成していたらしいのですが時は大戦中。
当時のこの車の製作者たちは
2cvがナチスの軍用車になることを恐れて完成を隠し続けたそうです。
そして軍用車はフォルクスワーゲンに。
かなり遅れて2cvの発表になったそうです。
こういう車はメンテナンスが大変…
と思われる方のいるかもしれませんが、案外と中は単純。
エンジンルームなんかはボンネット開くと不安になるくらい隙間だらけ@@
ちょっと調子が悪くなっても
「ここかな」と勘でさわると治ったりします@@
もうひとつこの車に乗れていた理由が、兵庫県内にあるダッグハウスというショップ。
シトロエン2CV専門店です。
ここの店主がなにからなにまで不調を直してくれます。
ちょっと音を聞いただけで
「左だな」
「接触だな」
「緩んでるな」
などといいながらたちどころに直してしまいます。
ひょうばんをききつけて
わざわざ北海道からフェリーに乗ってこられる方も。
「左から異音がするんです、
泊りもできる準備してきました何日かかってもいいんで・・・」
といっている持ち主をよそに数分で車を直してしまったりします。
しかも素手で。
「接触だけなので回転させたら異音消えましたよ」
すばらしい技術と経験。
彼が居てくれるので安心してあの車にも乗れたのです。
いつまでも乗っていたい車なのですが、一つ問題が。。。
足が柔らかいのです。
ぐにゃんぐにゃん。
当時、フランスの石畳の上を走っても生卵が割れない
というのをコンセプトに作ってあるのでぐにゃんぐにゃん。
妻が助手席に乗ると酔うので泣く泣く手放しました…
いつかまた乗ってみたい車です。